Brands, Interview

BALIISM / バリ島の環境を生かしたサステナブルブランド

今日は、バリ島発のサステナブルブランド・BALIISM(バリイズム)さんを紹介します!

💐ブランド情報

Website: https://www.jp.baliism.asia/ 

💐BALIISM(バリイズム)とは?

BALIISMは、2015年に誕生した、サステナブルな雑貨等を販売しているブランドです。カトラリー類、ストロー、歯ブラシ、ボトルなど、さまざまな製品を製造・販売しています。プラスチック汚染の問題が深刻化する中、使い捨てのプラスチック製品の代わりにBALIISMさんのボトルやカトラリー、ストローを使えば気軽に問題に貢献することができます。また、どの製品も竹や麦など、バリ島の自然由来素材を使っているのが特徴です。BALIISMさんの製品は、サステナブルなだけでなく、デザイン性にも優れているのが魅力です。特に筆者は、バンブーボトルが気に入っています。竹の素材感とステンレスの銀色がよく合っていて、とてもかっこいいデザインになっています。
創業者の長谷川真之(バリ名:I GEDE MASAYUKI)さんは、大学卒業後新卒で機器メーカーに就職されたあと、2013年にバリ島へ語学留学。そのときにバリの人々の生き方やモノづくりの精神に惹かれ、2014年には会社を退職しバリ島へ移住するまでに至ったそうです。その後、バリ島の職人さんたちに依頼して家具を製造することを始め、2015年にはBALIISMを創業されました。そして、日本での販売をスタートするために2016年にはBALIISM Japan株式会社を東京で設立されたとのことです。
自然由来の素材を使用したサステナブルな雑貨を作っているだけではなく、エネルギー問題にも積極的にアプローチをしているのがBALIISMさんです。
例えば、製品輸送にかかるエネルギーを最小限にする努力もされています。航空便による輸送を徐々に船による輸送に切り替えていたり、鉄道やEV車両と組み合わせた配送方法をとっています。また、BALIISM SOLARという、太陽光発電を利用した製品ブランドも設立され、個人がエネルギー問題に対してアクションを起こせる商品も販売されています。
今回はBALIISM創業者で現BALIISM Japan株式会社代表の長谷川さんにたくさんお話をお聞きしてきたので、下記インタビューをぜひチェックしてみてくださいね!

💐インタビュー

今回は、BALIISM創業者の長谷川真之さんにお話を聞いてきました!

Q. ブランドを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。
元々モノをデザインする事が好きで、デザインを学べる大学に進学し卒業後はメーカーでプロダクトデザイナーとして働いていました。海外工場とやりとりする機会が多く、語学力、特に英語が大切だと考え、長期的なキャリアスキルを向上させるため一旦、退職し語学留学を行った場所がインドネシア・バリ島でした。現地では、ハンドメイド工房が多くあったため習得した語学をアウトプットする場としてバリ島の職人さんたちと協力し、家具作りを始めたのがBALIISM設立のきっかけとなります。


Q. 製品開発をする中で苦労したことはありますか。
日本や先進国の人たちが満足するクオリティを実現することが大変でした。日本で売られている製品って、基本的に質が高いものばかりなんですよね。BALIISMの製品は輸出をメインに考えていて、現在は、日本だけでなくドイツやオーストリアなど他国にも輸出しているのですが、先進国に製品を販売する際にはものすごく精密なクオリティが求められます。なので、バリ島の職人さんたちに、どのくらい高い質の製品を作ればいいのか伝えるのが大変でした。

Q. ブランド名とロゴの由来を教えてください。
バリ(BALI)と、流儀(ISM)を組み合わせて、BALIISMという名前にしました。バリの流儀や作法を伝えていきたいという思いからです。
ロゴは「チャンディ」という、ヒンドゥー教の寺院の門をあしらったものです。


Q. ブランドとして大切にしていることはなんですか。
愛着をもって長く使ってもらえる製品作りを心がけています。大量生産や大量消費が起きるのは、モノたちが大切に扱われていないからだと思うんですよね。いくらエコで環境に優しい製品であっても、大切に長く使ってもらえなければ意味がないと思っています。
また、そのために価格設定も安くしすぎないことを心がけています。安いブランドの製品は愛着をもたれづらいですし、いいものを適正価格で売りたい気持ちがあります。

Q. バリ島と日本の生活・文化の違いを教えてください。
実はバリ島の暮らしは、日本の昭和30〜40年代の暮らしに似ていると言われているんですよ。私たちの親や祖父母が体験した暮らしですね。
日本は伝統工芸の職人さんの跡継ぎ問題などが深刻化していますが、ここはまだハンドメイド製品を作る職人さんがたくさんいて、モノづくりが盛んです。
また、バリの人々の生き方も魅力的です。日本はお金が全てな感じがして、お金がないと生活を楽しめないじゃないですか。稼ぐために生きているみたいな感覚が日本にいたときはありました。でもバリの人たちは、お金を稼ぐというよりも、毎日毎日の暮らしを充実させよう、という意識が強いんです。彼らにとっては今をどう楽しむかが重要なんですね。悪く見れば計画性がないとも取れますが、これって実はすごく健康的で自然体な生き方だと思います。例えば、雨が降ったり停電したり、そういう不都合なことがあればお店が急に閉まることもあります。不便に見えるかもしれませんが、気を使わなくていいし、お互いにとってそっちの方が生きやすくて心地いいんですよね。便利だけど疲れる日本の暮らしとは大違いだと思います。

Q. バリ島生活で1番印象に残っていることを教えてください。
印象的なことはたくさんあったのですが、特に1つ心温まるエピソードがあります。
私がバイクに乗っていたとき、道路の真ん中でタイヤがパンクしてしまったんですね。そのとき、知らない人が近寄ってきて、整備工場までそのバイクを引っ張っていってくれたんです。お金とかあとで取られるのかな、とも思いましたが、それもいらないと言ってくれました。こんなふうに、バリでは困っている人がいたらみんなが近寄ってきて助けてくれるような雰囲気があります。

Q. BALIISMの製品をどんな人に使ってほしいですか。
環境に対して少しでもアクションを起こしたい人にぜひ使ってほしいです。ターゲットとして性別や世代は特に考えていないですね。若い方にも受け入れてもらえるようなデザインを心がけているので、Z世代の方にもおすすめです。

Q. 今後展開していきたいことを教えてください。
最近、エネルギー問題の重要性に気づいて、アプローチ方法を模索しています。特に、エネルギー問題に対して個人でアクションできるものを作りたいなと思い、BALIISM SOLARという太陽光発電を活用したブランドを新しく立ち上げました。現在、日本では電力エネルギーを生み出す方法として、70%以上も火力発電を主にした化石燃料を使用した方法に依存しており、地球の限られた資源を消費する上、発電時に地球温暖化の原因となる CO2 を排出し環境に影響を与えています。まずは生活で使用するエネルギーの一部を自然由来のエネルギーを使ってもらいたいという想いがあります。

Q. この記事を見ている若者に伝えたいことをお願いします。
どんなに小さなことでもいいので、何かアクションを起こしてほしいと思います。継続は力なりという言葉もあるくらいなので、小さなことでもみんなの努力が積み重なれば、環境問題などに対して大きな力になると思います。今日からでもできるアクションをぜひ実行に移してみてください。

💐参考

バリ島のことや、BALIISMさんが関わる社会問題についてもっと知りたい方は、下記をチェックしてみてください!

🌱バリ島の暮らしについて
「バリ島の文化と習慣」(Website)
https://www.jp.baliism.asia/about-bali

「バリ島の文化と人々」(Website)
https://www.balitouryokou.com/aboutbali/culture.html

🌱エネルギー問題
「世界のエネルギー事情」(Website)
https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nowenergy/world_energy.html  

🌱プラスチック汚染問題
「1からわかる!プラスチックごみ問題(1)」(Website)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji17/

「プラスチック・フリー生活」著: シャンタル・プラモンドン/ジェイ・シンハ 訳: 服部雄一郎(本)
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000817782019.html

About Authors

Ethiteria運営者。長野県の高校に在籍しながらカナダの高校に通う高3。メディア運営、イベント開催、ポッドキャスト運営などを手がけたり、さまざまな課外活動を経験してきた。詳しくは「Our Story」へ。